たまたま日本料理店で働き始めたことが、一人のはにかみやの少年に、料理へのこだわりと情熱をもたらしました。
70年代の台湾では、日本料理はまだ萌芽期にありました。調理師だった若者は研究心と情熱にあふれ、仕事のプロセスを細微に観察しながら数々の疑問を抱き始めます。コース料理の中にお客様の好みに合わない料理がある時は他のものと変えられないのだろうか、もっと質の良い食材はどこへ行けば手に入るのか、高級食材を使う日本料理は高価でなければならないのだろうか、と繰り返し自問するうちに、一つの考えが芽生え始めました。
80年代の台湾のレストラン業界では、日本料理は「高価」であるが故に、他の料理を見下していました。しかし、種類の限られた食材と変わりばえのしないメニューのために、多くの人は茶碗蒸しと天婦羅が代表的な日本料理だと思っていたのです。そこで彼は長年暖めてきた理想を実現するために、経営経験もないまま、さまざまな困難を克服し、1992年に最初の店「三井小吃店」をオープンします。それが今日では4店舗まで拡大し、スタッフも当初は4名だったのが次第に増えて現在は250名に達します。
市場には養殖の魚介類があふれていますが、三井は昔からの職業道徳を貫き、天然物と東港に水揚げされる天然のホンマグロにこだわることで、お客様の健康志向にお応えしてきました。また、最新の設備を使って新鮮な魚を一年中使えるようにするとともに、希少な天然高級食材の開発にも力を注いでいます。各地の産地で直接仕入れることで原価を抑え、店舗に輸送する間は鮮度を保つための化学物質は一切使わず、合理的なお値段で最高品質の魚介類を提供しています。この他に、三井では従来の日本料理の枠にはまったコース料理をやめ、お客様の好みに合わせて変化させられるカスタマイズ化されたコース料理をお出ししています。これは現在も大変なご好評をいただいており、飲食業界に大きな影響を及ぼしてきました。長年にわたる、三井の「価格」と「価値」に対するお客様の信頼と納得こそが、三井にとって最も大切なブランド資産なのです。
お客様のニーズにお応えすること――さらにお客様の期待を超えるサービスをご提供することが、三井の価値の最高指標です。この理想を実現するまでは、まだ長い道を歩まなければなりませんが、スタッフ全員が全力で取り組んでいけば、成果は後からついてくると信じています。
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